最近の災害における行政失策と住民の失敗 -2

保土ケ谷区災害ボランティアネットワーク委 員  佐 藤 榮 一

 11月中旬、熊本県知事がNHKTVニュースウオッチ9で今回の地震では行政対応が失敗であった旨のコメントを述べました。要旨は、熊本の行政職員は他からの支援を受け入れる能力が低い県民性・風土性により、自己完結を目指し、結果、災害対応が遅滞してしまった。教訓として支援を適切にいただく『受援力』を高めなければならないことに気づいた。今後、各地に発信をしていくことを使命としたい。とのことでした。
 私は、行政の失敗もさりとて『住民の失敗』も考えなければならないと感じています。熊本県内の行政機関が失敗した原因は避難者の世話が多忙で本来業務をすることができなかった。と報じられています。発災時点からニュースではそのことを感じさせられました。自衛隊の炊き出したご飯を握る人も配布する市民も無く、ポリ袋に入れたご飯を食べずに捨てる人が出たり、寝具を職員が配って歩く、救援物資を職員総出で受領していたり自助共助の雰囲気は無かった。ボランティアの受け入れについても遠慮されたというより断られてしまいました。二次災害の恐れも理由のひとつでしたが。
 私が申し出たボランティアセンター立ち上げ支援の申し出には迷惑そうな様子でした。 発災と同時に必要になる医療・福祉関係等各種専門ボラ・特技ボラなど、必要なことも日時が経過してからわかったようです。
 熊本県知事が発信してくれた『他山の石』をどう拾い上げるか。
私たちに与えられた課題であろうと思います。過酷被害に『想定外であった』とか『未曾有のこと』はもう言い訳や理由にならない。
 真の自助・共助を市民一人ひとりに啓発する必要があると感じました。