ろう特別支援学校生徒の防災ウォークについて

最初にこの防災ウォークを考えたのは東日本大震災の際に、ろう特別支援学校の子どもや先生、家族の多くが帰宅できず余震が続く校舎の中で不安な一夜を過ごしたり、自宅に向かうことができても途中で先に進めなくなくなってその場で夜を明かした等、それまでの防災訓練では想像もつかない経験が多くあったために、今後は学校と地域と家族が連携を強めて、防災についての考え方を根本的に見直していかなければ子どもたちの命は守れない、私達は親の会としてその橋渡しをしなければならないと実感したからです。以降この数年の間に私達は、地域自立支援協議会防災部会でたくさんのことを学ばせていただきました。その中で今回は災害ボランティアネットワークさんをご紹介いただき、数年来の希望であった防災ウォークを実現することができました。開催当日は、「地震災害発生、下校途中の横浜駅付近で被災、交通ストップのため学校に徒歩で戻る」を想定して、緑・黄色のバンダナや赤いヘルプマークを付けた30人が、横浜駅西口地下から保土ケ谷区常盤台にあるろう特別支援学校を目指し約3時間を歩きました。道中では段差や崖、ガラスの多い建物、トイレを借りられる場所、水分補給ができる場所などを確認しました。親子でオリジナル防災マップも作成し、危険箇所などをそれぞれの視点で書き入れました。学校到着後には、付近のファミリーマートさんに協力していただき、おにぎりの配給体験をしました。手話が通じない設定で、子どもたちは緊張しながら筆談や身振りで家族分のおにぎりを受取ました。本当に良い経験をさせていただきました。今後は、隣接する区の支援者の方々や、ろう特別支援学校の先生にも参加していただけるような方法を考えながら、継続して企画開催してまいります。今回ご指導・ご協力いただきました保土ケ谷区災害ボランティアネットワーク、保土ケ谷区地域自立支援協議会、保土ケ谷区社会福祉協議会、保土ケ谷区役所、ファミリーマート横浜国大東店の皆さまにあらためましてお礼を申し上げます。

ときわ虹の会 代表 廣瀬宗史